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くるくると回り、スキップしたかと思えば飛び跳ねている。 歳の割りには幼いその行動をぼんやりと眺めていると、はその満面の笑みを俺に向けて駆け寄ってきた。 「諏訪っさん!」 「なんだよ、うっとおしい」 「雪だよ!」 「見りゃ分かるし、寒ぃ」 「えっ、遊ばないの?!」 「遊ばねえよ! 幾つだと思ってんだ!」 「太刀川さんは遊んでたよ」 「太刀川はいつもああだろ」 「そっか」 16にもなってまだ雪ひとつでこれだけはしゃげるのだから、の有り余るエネルギーは凄まじい。 俺はと言えば、20をひとつも越えれば雪なんて寒いし歩きにくいしで、テンションは下がる一方だ。 「じゃあ本部に戻ろうか」 「ん、なんだ。もう雪はいいのか」 「諏訪さんが遊んでくれないなら、雪はもういいよ。堤さんたちも待ってるから、戻ろう」 「それは……悪いことしたな」 一緒に楽しんでやれるなら、そっちの方がいいに決まっている。 少しは楽しむフリでもして、構ってやった方がよかったなと柄にもなく後悔。 「んーん、悪くないよ。私、諏訪さんに嘘つかれたくないし、合わせてほしくもないし」 が雪を蹴り上げ、それはキラキラと光を反射させて、舞って。 「雪より諏訪さんの方が、何倍もすきだよ」 殺し文句を、ひとつ。 「……お前、いいスナイパーになるよ」 「無理無理、私には弧月でぶった斬る方が性に合ってるよ」 「まー、そうかもなあ」 悔しいから、その小さな肩を抱きしめてやる。 くっつきすぎて歩きにくいのは、雪のせいにしておこう。 「うおっ」 「おまっ、あっぶね!」 突然、が足を滑らせる。 咄嗟に上半身を支えれば、慌てた表情がいつもの笑顔になってかえってくる。 「へへ、諏訪さんありがとう」 「ったく、危なっかしいな……」 鼻を赤くして、白い歯を見せて満面の笑みをくれる。 だから、そんな顔ごと両腕で抱きとめて。 「んー、苦しい!」 「うるせぇ、我慢しろ」 隠したくなったのは多分、独占欲。 こんな二本の腕に収まってしまう小さな奴や、こんなことで誰にも渡したくないと思ってしまう小さな自分が、誰かを守るために働いているのだから世の中は案外平和なのかもしれない。 白い雪はキラキラと、世界も彩って。 どうか、今日だけは 「おら、行くぞ」 「自分がいきなり抱きついたくせに!」 このまま、誰もが笑顔で。 fin. |