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「ふえっ」 少し強い風が吹くだけで、刺すように痛みを伴う寒さ。今年は暖冬だといつか気象予報士が言っていたが、絶対に違うとは手に溜息を吐いた。 白く広がる息は、じんわりと裸の手を温めていく。しかしすぐに冷めてしまうもので、はもう何度も手に溜息を吐いていた。 「どうした、寒いのか?」 「いえ、こんなの――どうってことないです」 おひさま園で育ったは昔から身体が弱く、ジェネシス計画に加担出来なかった。 それを思うと昔の皆に比べたら、確かに寒さなど堪え得ることなのかもしれない。 けれど、の横に立つ玲名は心配そうに彼女の肩を抱き寄せた。 「お前は昔からすぐ風邪を引くだろう……」 「否めない自分が情けないです……」 身長も体格も違う玲名を見上げ、は不意にその腕を彼女の腰に巻き付けた。 思わず玲名は肩を抱く手を放したが、は悪戯に笑いかける。 「こうしたら、もっと暖かいかもしれません」 してやったりとでも言うつもりなのか、動揺した玲名を見ては嬉しそうに頭を預けてニコニコしている。 しかし、そこまでされてまさか黙っている玲名ではない。 「そうだな……くっつけば暖かいのは正論だ」 「ひゃあっ」 を覆うように抱きしめ、豊満な胸に彼女の頭を押さえ付ければ、はじたばたともがいて抵抗をした。 だが相手は元ジェネシスの10番、ハイソルジャーである。そんな彼女に、小柄なが敵うはずもなく。 暫くすると大人しく再び両腕を玲名の腰に回して、恨めしそうに彼女を見上げた。 「まだ寒いですよ」 唇を尖らせて、出し抜けなかった玲名に最後の抗議を呟く。 玲名は目を細めて笑い、の額に軽く唇を落とした。 「帰ったら、もっと暖めてやろう」 「っ〜〜!!」 いつもペースは彼女のもので。 少し強引で、積極的で。 でも、黙って風上に立ってくれている彼女はとても優しくて。 玲名を抱く腕に力を込め、は玲名の胸に顔を埋めて小さく好きと呟いた。 fin. |